資格のイメージ

今回はITエンジニアがキャリアアップを目指す際に、取得していると便利な資格について紹介します。ITエンジニアのキャリアは、前提とする言語や技術領域によって幅広いものになっています。なのでこの記事ではデータベース、セキュリティ、ネットワーク構築などの業務内容と、それに用いるコンピュータ言語の双方からエンジニアのキャリアについて迫っていきます。

職種別の資格について

まず、様々な技術領域別の専門性を示すための資格として、シスコ技術者認定というものが挙げられます。シスコはアメリカに本社のある世界最大級のコンピュータネットワーク機器開発会社で、この会社が提供する試験では主にシスコ製品の使用を前提にした知識、技術を測ります。シスコ技術者認定試験はエンジニアの持つ技能の基準として世界的に信頼されています。ルーティング&スイッチング、セキュリティ、サービスプロバイダといったコースごとに複数のレベルが用意されており、一定以上の試験を受けるためにはそのひとつ前の段階の資格の取得が必要になるものが多いです。最も難度の低いエントリーではそれほど高度な内容を要求されない一方、最もレベルの高いアーキテクトでは世界中に支社がある規模の大企業のネットワークトラブルのサポートも可能な内容を扱います。その対応範囲の広さから、自分のイメージするキャリアに合わせて受験する試験を選択するのがベストです。

次はオラクルマスターという、日本オラクル社が提供するデータベース技術者向けの認定試験です。こちらもシスコと同じく自社製品についての技術レベルを測るベンダー試験となっています。日本国外で行われるOracle Certification Program(OCP)との連携もされており、オラクルマスターで取得した対応する資格は海外でも通用するものになります。資格レベルはブロンズからプラチナの4段階となっており、こちらもブロンズから順に受験を進めるステップアップ型の資格となっています。そのポピュラーさから様々な教材が出版されているのもその特徴となります。

基本情報技術者試験、応用情報技術者試験は、それぞれITエンジニアの基礎力、応用力を測定するために作られた国家資格です。基本情報技術者試験の年間受験者数は10万人以上にものぼります。受験までの勉強期間はおよそ半年とされており難易度は低くありませんが、IT人材としての基礎力を測りたいという人におすすめの資格となっています。応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の内容をより高度にしたものとなっており、経営戦略、情報戦略の策定を求める経営者のための知識や経験を提供できる能力の測定を目的にしています。どちらの試験も総合的なIT関連の能力を確かめる場として機能しているため、細かな職種よりも包括的な技術や知識を身に付けたいという人に向いています。

LinuCはOSであるLinuxについての能力を扱う民間資格です。Linuxはディストリビューションと呼ばれる多様なバージョンを特徴としており、様々な設定が施されたそれらを用途によって使い分けるのですが、このLinuCではそれらLinuxディストリビューションに共通する部分の知識や技術についてを取り上げます。Linuxが企業の製品開発の際のOSとして選ばれる機会も多くなってきているため、その際に求められる専門性を示すことができると案件獲得や求人の通過に有利になるといえます。

言語別の資格について

Oracle認定Java資格(Oracle Certified Java Programmer: OCJP)は、Javaを用いた開発能力を測定するための資格です。ブロンズからゴールドまでの3種類の資格レベルが用意されていますが、こちらの中間レベルであるシルバーは、オラクルマスターと違いブロンズの資格がなくても受験が可能となっています。Javaはオラクルが開発、提供するプログラミング言語であり、その性質上どんなコンピュータ上でも順応、稼働するように開発を行うことができる特徴を持っているので、Javaに関する技術や知識の証明となるこの資格を持っているとキャリアの幅が広がります。

Ruby技術者認定試験に合格すると、プログラミング言語のRubyについての能力を証明することができます。試験は2019年4月現在シルバーとゴールドの2種類があり、シルバーではRubyの基礎を、ゴールドではより高度な内容を扱っています。Rubyはそれまでの様々な言語の良い部分を取り込んだ構造をしているため、開発における様々な面で便利な特徴を発揮します。Ruby技術者の需要も高いため、この資格を取得しておくとスムーズにキャリアを進めることができるといえます。

C言語プログラミング能力認定試験では、C言語に関する知識、技術について測定することができます。C言語は歴史あるプログラミング言語であり、また「C系」と呼ばれる様々な派生言語の基となったもののため、C言語に関する能力を高めておくと後に学ぶ多くの言語の理解に役立ちます。また、業務用開発やフリーソフトウェア開発、その他様々な小規模のシステムの実装で幅広く使われている言語となっています。

エンジニア向けのおすすめの資格紹介を終えて

ここまで多くのITエンジニア向けの資格を紹介しました。ネットワークやセキュリティなどは分野の独立性が高いため、プログラミング言語のように他の領域で学んだことを応用させづらくなっています。また、プログラミング言語でも系統が違うと、同じ動作を求めるときでもかなりコードの書き方が変わってきます。資格に向けて勉強を進める際はひとつずつ課題を解消して、確実なスキルやキャリアにつなげる工夫をする必要があります。

 



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