CTO経営者

エンジニアの皆さんは、技術が好きでエンジニアを選んだという方が多いのではないでしょうか。好きなことを仕事にできるのはとても幸せなことだと思います。しかし、一度思い込みを捨て、今の自分を見つめ直すと、実は本当にやりたいことが他にあったり、市場における自分の価値にきづくこともあるのです。この記事では、このように自分を見つめ直し、様々な業界を見た上自分のキャリアの選択肢がどのくらいあるのか知ることをおすすめいたします。

ほとんどの人は一つの価値観に捉われて過ぎている

転職を繰り返してきた筆者からすると、ほとんどの会社員は、一つの価値観に捉われ過ぎているように思えます。そしてその傾向はエンジニアの皆さんにこそ多いように思えるのです。

新卒で入社し、愛社精神や、自分の専門領域への愛を持って、その会社に勤めあげようという考えを持っている方が、日本にはまだ数多く存在します。日本的な美徳ともいえますが、リスクヘッジの観点で考えると、この思考は実は危険です。

これからの時代は、変化が激しく、トレンドとなる技術領域が変わっても、対応して行かなければなりません。これは個々の専門領域の話だけではなく、もう少し広い視点。例えば業界やビジネスモデルについてもダイナミックに変化していくことが予想されます。

以上のことから筆者はこれから生き延びていくエンジニアの条件は下記の通りになると考えています。

  • 自分の専門技術をさまざまな市場での市場価値で評価できる能力を持っている。
  • 異業界においても自分の専門性を活用してプレゼンスを示せる能力を持っている。
  • 異業種や異なる専門分野でも柔軟に対応していくサバイバル能力を持っている。

そしてこれらの条件は、一度転職したりするなどして、外の世界を見ないと身に付かないのではないかと考えています。そこで筆者がおすすめするのは異業界への転職です。

なぜ異業界への転職が良いのか?

ここで筆者の経験から、なぜ異業界への転職が良いのかをご説明します。ここで意味する「異業界の転職」は、文字通り自分の携わる業界を変えるということです。職種の変更ではありません。たとえば製造メーカー→IT企業への転職を指します。

まず筆者がおすすめする転職は以下のパターンです。

  • エンジニアはまだ少ないが、積極的にエンジニアを募集している会社
  • エンジニアが働くイメージが世の中にまだあまりない会社
  • ビジネス転換や新規事業を試みている会社

もともと、エンジニアが働いている会社ではなく、技術的な部門がないような会社ですが、事業転換を目指し、エンジニアあるいはエンジニア経験のある人を求めるというパターンがあります。このような会社はテクノロジー文化、開発文化が薄いため、中途入社してもすぐに大きな裁量を与えられることが多いのです。新たな組織風土をつくっていくチャンスも得られます。

また、エンジニアが働くイメージが世の中にあまりない会社の場合、採用倍率が低いためハードルが下がります。このようなポジションを探すと、自分のキャリアの選択肢が意外と多いことに気づかされます。

さらに新規事業などを起こそうとしている会社では、大企業であっても縦割りがまだ少なく、柔軟に開発をすすめる必要があります。このような段階では、社員が広い裁量をもって仕事をできるケースも多く、多様な経験を積むチャンスが眠っています。これまで事業を支えてきたいわゆる花形ではないかもしれませんが、こだわらないことをおすすめします。

異業界へ転職する上で必要な覚悟とは

もちろんいいことばかりではありません。異業界や新規事業系の転職は、通常の転職とはことなり、事前に覚悟しておかなければいけない心構えもいくつかあります。

<異業界への転職で必要な覚悟>

  • 異なるビジネスモデル、商文化になれる
  • 価値観の違いを乗り越える
  • その業界での自分の持っているスキルの価値、•貢献性を示す

<新規事業系で必要な覚悟>

  • 変化への柔軟な対応力がもとめられる
  • 指示待ちではなく、自分から課題設定してうごく必要がある

    特に大手企業はスピード感が基本的に遅く、プロセスが重いといわれますが、新規事業系となると、スピードがはやくなります。変化のスピードもとても早く、柔軟に対応する力が求められます。

    会社で自分の地位を確立させるためにも、早めにポジショニングを意識し、そのポジションで信頼を獲得していくことが大切です。

    以上のようなサバイバルスキルを身につけることが、今後人材の流動化が進む中で一層大切になってきます。



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