いまや、ほとんどのエンジニアが転職を視野に入れて仕事をしているようです。人材不足の後押しで、転職を考えやすい時期といえるかもしれません。ただし、エンジニアの転職を成功させるためには「事前」に押さえておくべきことがあります。ここで、キャリアアップを目指しているエンジニアが転職前に確認すべき3つのポイントを説明します。
ポイント1:転職前にエンジニアとしての自分を知る
エンジニアが転職をしようと思うその理由は、エンジニアごとに異なるでしょう。目指していた職種や業界にチャレンジするというポジティブなものから、過剰労働や企業体制に不満があるなどのネガティブなものまで、さまざまな理由があるようです。
理由がどのようなものであっても、転職をしたいと考えているのであれば、エンジニアとしての自分の経験やスキルを棚卸しすることから始めましょう。棚卸しをせずに、ひとっ飛びに転職活動を始めてしまうのは危険です。エンジニア転職を成功させるための重要なステップです。転職活動がスムーズになっていくはずなので、しっかり時間を取って取り組んでおくことをおすすめします。
棚卸しとは、自分が今までどのような経験をしてきたのか、何ができるのかを洗い出すことです。ノートでもPCでもいいので、すべて書き出してみてください。「〇〇プロジェクト」ではなく、そのプロジェクトチームで実際に何をしたのかを書き出すことが大事です。プログラミングやコーディング、導入支援、後輩の指導、営業、マーケティング、カスタマーサポートなどさまざまな業務が考えられます。
また、メンバーの一人だったのか、何人かのメンバーをまとめるリーダーだったのか、複数のプロジェクトを管理するマネージャーだったのかという立ち位置も重要項目です。プロジェクト規模も自分の経験範囲を把握しておいたほうがいいでしょう。
仕事上でコミュニケーションを取った相手についても考えてみてください。社内でも部署内メンバーだけのこともあれば、他部署や社外のベンダーとの連携で進めるプロジェクトもあります。社内だけでなく、クライアントへの営業やヒアリングをした経験のある人もいるでしょう。
ポイント2:エンジニアの転職候補を知る(形態・職種)
エンジニアといっても、活躍できる職種は数多く存在します。とくにエンジニアとしてキャリアアップを狙っている人は、今、自分が経験している働き方の形態や職種だけに囚われないことも大事です。
エンジニアとしての働き方の種類を挙げてみます。
・IT業界以外の一般企業のIT部門
・IT業界・Web系の企業
・ITコンサルティングファーム
・ベンチャー企業
・フリーランス
エンジニアの転職の選択肢も幅広く存在しています。
・現職と同業種✕同職種
・異なる業種で同じ職種
・同じ業種で異なる職種
・自分がまだ知らないIT業界の新職種
エンジニアとして活躍できる職種は多岐にわたります。
・インフラエンジニア
・システムエンジニア
・WEBエンジニア
・セキュリティエンジニア
・フロントエンドエンジニア
・社内SE
・システムやWEBの監視・保守
・営業
・セールスエンジニア
・ITコンサルタント
・プロジェクトマネージャー
エンジニアとしてのキャリアアップ手段は、特定の職種でスペシャリストを目指したり、マネジメント側に回ったりする方法があります。また、セールスエンジニアやITコンサルタントの道もキャリアアップとしては有望です。
ポイント3:エンジニアとしてのキャリアをどう積むかを考える
エンジニアの転職で大切なのは、上記で確認した2つのポイントを踏まえて、自分が将来的にどういうキャリアを築いていきたいかということです。ITの世界は目まぐるしく移り変わっているため、将来像を描くことは難しいと感じる人も多いかもしれません。
しかし、変化が激しいからこそ、ある程度の自分軸を持っておくことが大切になってきます。市場の動向や業界の流行に振り回されてしまうと、自分に合う確かなスキルと将来のキャリア構築を助けになるような信頼性のある経験を蓄積していくことができないのです。
エンジニアの現状をキャッチアップしながら、自分の軸を基準にしてエンジニア転職についての情報収集をしていきましょう。エンジニアのニーズは高まっていて、活躍できるフィールドも拡大しています。
自分が知らない企業や職種の中に、キャリアアップできる選択肢が隠れていることもあります。転職サイトやエージェントに登録して、積極的にリサーチや相談をしながら転職活動を進めていくのもおすすめです。棚卸しした自分の経験やスキルの情報を登録しておくとで「こういう仕事もある」と自分の視野に入っていなかった転職先の候補や職種に巡り会える可能性も出てきます。無料の媒体ですから、うまく転職活動に活かしていきましょう。
エンジニア転職でのキャリアアップには事前準備が不可欠
エンジニアの転職では、転職活動に入る前の準備もしっかり行なっておきましょう。自分の経験やスキルの棚卸しをして、選択肢を把握した上で、有効なキャリアアップの道を見つけてくださいね。転職活動の情報収集に不安がある人はもちろん、自信があるという人も、隠れた情報を得るために転職サイトやエージェントを積極的に活用されることをおすすめします。