中小企業診断士の2次試験の学習にあたり、どうも考え方や攻略の糸口が掴めないなと感じたので、色々な記事だったり、参考書だったり、講座だったりをまとめ、自分なりの考え方をまとめてみました。参考にしていただけると幸いです。
二次試験の攻略の順番として、下記の順番を体系としてまとめました。
- 与件文と問題をよく読む
- 設問の構造を理解する
- 各問題で問われているテーマのレイヤーを考える
- 問いに対して多面的に答える
与件文と問題をよく読む
まず、当たり前の話ですが与件分をよく読むことです。ここで様々な参考書で線をびっしり引くことをしていますが、筆者の場合はそこまで線を引いていません。というのも過去問題を解いた経験から、重要な部分・キーワードを拾い損ねたという経験がほとんどないからです。唯一気にしているのは時系列。10年前・過去の話なのか、現在の話なのか、これからやろうとしていることなのか、という区分けは意識しています。そのために時系列を示すための線引きやメモをすることが多いです。
与件文を読むことで意識したいのは、この課題はこういうことを受験者に問いたいんだな?という意図を把握することに集中ことかなと思います。
試験は対話というような有名な言葉がありますが、この2次試験においてもまさにそうなのではないかと思います。出題者が中小企業診断士の資質をはかるために、この問題では何を問おうとしているのか。という出題者の気持ちを汲み取って対話することが必要かなと思います。
設問の構造を理解する
次に各設問の設問の聞こうとしている本質と、各設問同士の関係性を理解することも重要なのかなと思いました。例えば問1〜問4で構成される場合、その順序、構成に意味があると考えると良いでしょう。環境分析→組織戦略→人事戦略といったように、ある種本当のコンサルのような形でストーリーになっていると考えられます。このように構造として理解できると、各問題で答えなければいけないポイントは何か、ということがクリアになり、また問題の前後における回答の重複部分を排除することができます。一度鳥の目で全体俯瞰してからアプローチするのが正しいと思いました。
各問題で問われているテーマのレイヤーを考える
組織・人事戦略の場合大きく分けて、問いのテーマは下記のようなものになるのではないかと考えます。
- 環境分析
- 組織戦略
- 人事戦略
- 人事システム・評価システム
「組織は戦略に従う」と言われるように、戦略の順番としては上から下に流れていくのかなと思いますが、各設問がどのレイヤーに位置する質問なのかをしっかり意識する必要があると感じました。レイヤーが決まると、答えるべきことはほとんど限られてくるからです。
環境分析
- 組織の置かれている状況や文化の背景を分析し、以後の対応につなげる戦略を考える。
組織戦略
- 組織の構造面・・・組織は事業部制なのか、機能別組織なのか、マトリックス組織なのか。それぞれの組織形態のメリット/デメリット
- 組織の文化面・・・バーナードの組織の成立要件(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)などが代表的な切り口
人事戦略
- モラールの話・・・衛生要因をどう満たすか。
- 能力の話
人事システムの話
筆者はただ基本的に与件文を読んで、設問に合うキーワード根拠を与件から探して答えれば大抵なんとかなる・・・と思っていましたが、それが大きな過ちだったことに気づきました。
1次試験をベースにした知識や構造を考えることが必須だ思います。
問いに対して多面的に答える
問いで問われているレイヤーがわかったら、そのテーマレイヤーに合った要素を網羅できるように多面的に答える必要があると思います。
例えば組織戦略であれば、根幹となる構造面と文化面について触れる必要はあるでしょう。回答字数として2件以上記入する余地がある場合は重要な観点からその構成要素を多面的に答えていくことを意識する必要があると思います。
2次試験はよくできている+実践的
結局2次試験って何がしたんだろう?攻略法なんてないのに運要素大きくない?とずっと思い続けていたのですが、そこに誤りがありました。やはり試験は対話であり、そこには受験者に問いたい資質がある。その基本に立ち帰り見つめ直すと、攻略法も見えてくる。最近ようやく2次試験の本質を理解でき始めたような気がします。
この組織・人事戦略においても、そもそも理解していなければいけない知識と、構造把握力があり、その知識とフレーム・構造化能力を持ってして、その武器を使うというのが正しい考え方なのかなと思います。
そしてこれは実際のコンサルティングにおいても有益であり、すごく実践的な内容なのではないかと感じます。